根抵当権の移転【合併】 | 不動産登記申請メモ 不動産登記申請書式集

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根抵当権の移転【合併】 | 不動産登記申請メモ 不動産登記申請書式集

事例

根抵当権者A銀行株式会社(代表取締役a)を消滅会社、甲銀行株式会社(代表取締役乙)を存続会社とする吸収合併が成立した場合の申請。

 

申請情報

登記の目的

◯番根抵当権移転

原因日付

年月日 合併
根抵当権者

(被合併会社 A銀行株式会社)
 住所 甲銀行株式会社
  (会社法人等番号○○○○-○○-○○○○○○)
   代表取締役 乙

添付情報

・登記原因証明情報
・代理権限証明情報(甲銀行株式会社の代表取締役乙からの委任状)
・会社法人等番号

課税価格

金1000万円

登録免許税

金1万円
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備考

登記の目的

【◯番根抵当権移転】
※◯番根抵当権〜のように順位番号で特定する。

 

原因日付

【年月日 合併】
※吸収合併の場合は合併契約で定められた合併の効力発生日が原因日付となり、新設合併の場合には設立会社の設立登記の日が原因日付となる。

 

根抵当権者

【(被合併会社 A銀行株式会社)
 住所 甲銀行株式会社
   (会社法人等番号○○○○-○○-○○○○○○)
    代表取締役 乙】
※根抵当権者として括弧書きで被合併会社の名称を提供した上で根抵当権者となる者の情報を提供する。
元本確定前の根抵当権は不特定債権を担保しているので持分という概念が存在しない。そのため登記名義人が複数になる場合でもその持分の記載は不要(不動産登記令3条9号括弧書き)。抵当権や元本確定後の根抵当権では従来どおり持分の記載が必要なことに注意する。

不動産登記令

第二章 申請情報及び添付情報
(申請情報)
第三条 登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない法第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。
九 表題登記又は権利の保存、設定若しくは移転の登記(根質権、根抵当権及び信託の登記を除く。)を申請する場合において、表題部所有者又は登記名義人となる者が二人以上であるときは、当該表題部所有者又は登記名義人となる者ごとの持分

 

※不動産登記法63条により登記権利者の単独申請。

(判決による登記等)

第六十三条 第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる

 

 

添付情報

・登記原因証明情報
・代理権限証明情報(甲銀行株式会社の代表取締役乙からの委任状)
・会社法人等番号
※会社法人等番号を提供することにより、合併を証する情報として添付が必要な登記事項証明情報の添付を省略することが出来る。会社法人等番号を提供出来ない場合には合併を証する情報として吸収合併の場合には存続会社、新設合併の場合には設立会社の登記事項証明書を添付する。

 

 

課税価格

【金1,000万円】
※課税価格は抵当権の被担保債権の債権額、根抵当権の場合には極度額。
※このサイトでは特別に記述がない場合には金1,000万円とする。

 

登録免許税

【金1万円】
※(根)抵当権移転の登録免許税は、包括承継(相続や合併等)の場合には1000分の1、特定承継(債権譲渡等)の場合には1000分の2。

 

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根抵当権の移転

元本確定前の根抵当権は不特定債権を担保しているため債権と根抵当権の間には付従性や随伴性がない。そのため、債権が移転しても根抵当権がそれに伴い移転するということはない。そのため、根抵当権のみを移転する事が可能。
※元本確定後の根抵当権は担保すべき債権が特定されるため、附従性や随伴性が生じる。

 

元本確定前の根抵当権の移転

元本確定前の根抵当権の移転には
・全部譲渡(民法398条の12-1)
・分割譲渡(民法398条の12-2.3)
・一部譲渡(民法398条の13)
・共有者の権利の譲渡(民法398条の14-2)
共有者の権利の譲渡は法律関係の複雑化を防ぐために全部譲渡のみが認められており、一部譲渡や分割譲渡は認められない。
・共有者の権利の放棄(民法255条)
等がある。

 

根抵当権の譲渡の効力要件

共有者の権利の放棄を除く譲渡では根抵当権設定者の承諾が効力要件であり、根抵当権設定者の承諾がなければ効力を生じない。
さらに根抵当権設定者の承諾に加え、分割譲渡では分割して譲渡しようとしている部分については第三者の権利が消滅してしまうため根抵当権を目的とした権利を有する第三者の承諾、共有者の権利の譲渡では他の共有者の同意が必要になる。

 

共同根抵当権の譲渡(民法398条の17)

共同根抵当権の譲渡は、共同担保の目的である不動産すべてにつき登記をしなければ効力を生じない(効力要件)。

民法
(共同根抵当の変更等)
第三百九十八条の十七 前条の登記がされている根抵当権の担保すべき債権の範囲、債務者若しくは極度額の変更又はその譲渡若しくは一部譲渡は、その根抵当権が設定されているすべての不動産について登記をしなければ、その効力を生じない。

 

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抵当権の移転

抵当権の移転

抵当権は特定の債権を担保するという性質により抵当権の被担保債権が移転するとそれに伴い抵当権も移転する(随伴性)。

事例

 AがBに対して有する債権を被担保債権として抵当権が設定された後にAが甲に当該債権を譲渡するとそれに伴い抵当権も甲に移転する。

 

債権の移転

債権が移転する典型例としては、被担保債権の譲渡、抵当権者の相続(合併)、転付命令等がある。

 

抵当権移転の申請

所有権移転登記等と同様に、相続や合併等の一般承継では承継人の単独申請(不動産登記法63条2項)、譲渡等の特定承継では登記権利者と登記義務者の共同申請(不動産登記法60条)による。
※転付命令による抵当権の移転の場合には裁判所書記官による嘱託。

不動産登記法
(共同申請)
第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。

 

第六十三条 第六十条、第六十五条又は第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記は、当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
2 相続又は法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。

 

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