抵当権消滅請求と根抵当権消滅請求 | 不動産登記申請メモ 不動産登記申請書式集

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抵当権消滅請求(民法379条)

民法
(抵当権消滅請求)
第三百七十九条 抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。

 

(抵当権消滅請求の手続)
第三百八十三条 抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。
一 取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面
二 抵当不動産に関する登記事項証明書(現に効力を有する登記事項のすべてを証明したものに限る。)
三 債権者が二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは、抵当不動産の第三取得者が第一号に規定する代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面

 

抵当権消滅請求

・抵当不動産の第三取得者は、登記されている抵当権者全てに書面により自ら評価した額等を通知し、全ての抵当権者がそれを承諾し、第三取得者がその金額を支払い渡す又は供託するか、通知の到達から2ヶ月以内に抵当権者が競売の申立をしないとき(競売を取り下げたり却下や取り消しがされた場合も同様)は抵当権は消滅する。
※通知の到達から2ヶ月以内に抵当権者が競売の申立をしないときは、承諾したものとみなされる。
※通知は登記されている抵当権者全員に対してしなければならない。
全ての抵当権者の承諾が必要で、1人でも承諾せずに抵当権の実行をした場合には競売手続きに移行する。
※この379条の抵当権消滅請求は根抵当権でも可能。398条-22根抵当権消滅請求とは区別する。

(債権者のみなし承諾)
第三百八十四条 次に掲げる場合には、前条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、抵当不動産の第三取得者が同条第三号に掲げる書面に記載したところにより提供した同号の代価又は金額を承諾したものとみなす。
一 その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。
二 その債権者が前号の申立てを取り下げたとき。
三 第一号の申立てを却下する旨の決定が確定したとき。
四 第一号の申立てに基づく競売の手続を取り消す旨の決定(民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条第三項若しくは第六十八条の三第三項の規定又は同法第百八十三条第一項第五号の謄本が提出された場合における同条第二項の規定による決定を除く。)が確定したとき。

 

抵当権消滅請求が出来る第三取得者とは

・有償か無償かを問わず所有権を取得した者(代価弁済と異なり贈与により無償取得した者でも可能)。
※抵当権消滅請求ができるのは、所有権を取得したものに限られる点に注意(代価弁済は地上権を取得した者も可能)
※根抵当権の消滅請求(民法398-22-1)では、所有権を取得した者に限られず物上保証人や抵当不動産につき所有権、地上権、永小作権、第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は根抵当権の消滅請求が出来る。

 

抵当権消滅請求が出来ない第三取得者

・主たる債務者、保証人、相続や合併による一般承継人は抵当権消滅請求が出来ない(民法380条)
※代価弁済では被担保債権の保証人も可能だった。
・停止条件付第三取得者は停止条件が未定の間は抵当権消滅請求が出来ない(民法381条)
※解除条件の場合は可能。
・共有持分を取得した者は抵当権消滅請求が出来ない。
・譲渡担保権者は譲渡担保の実行により確定的に所有者となった後でないと出来ない。

第三百八十条 主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
第三百八十一条 抵当不動産の停止条件付第三取得者は、その停止条件の成否が未定である間は、抵当権消滅請求をすることができない。

 

抵当権消滅請求が可能な時期

(抵当権消滅請求の時期)
第三百八十二条 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。

根抵当権消滅請求(民法398条の22)

元本確定後に現存する債権の額が極度額を超える場合に、物上保証人、抵当不動産の第三取得者、抵当不動産を目的とした地上権、永小作権、第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は根抵当権の極度額に相当する金銭を払い渡し又は供託をして根抵当権の消滅請求ができる。
※民法379条の抵当権消滅請求とは異なり、所有権を取得した者に限られない。
※根抵当権の消滅請求があった場合の根抵当権抹消の登記の申請人は、登記権利者は消滅請求をした者となり根抵当権設定者である所有権の登記名義人に限られない点に注意する。(登記義務者は通常通り根抵当権者)。

(根抵当権の消滅請求)

第三百九十八条の二十二 元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。この場合において、その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。
2 第三百九十八条の十六の登記がされている根抵当権は、一個の不動産について前項の消滅請求があったときは、消滅する。
3 第三百八十条及び第三百八十一条の規定は、第一項の消滅請求について準用する

 

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