抵当権の債務者の変更【免責的債務引受】 | 不動産登記申請メモ不動産登記申請書式集

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抵当権の債務者の変更【免責的債務引受】 | 不動産登記申請メモ不動産登記申請書式集

事例

抵当権者A、債務者Bとして設定登記されている抵当権（設定者B）の債務者をBからCとする免責的債務引受契約がA・B・Cの間で成立した場合の申請。

申請情報

登記の目的	◯番抵当権変更
原因日付	年月日　免責的債務引受
変更後の事項	債務者　住所　C
権利者	住所　A
義務者	住所　B
添付情報	・登記原因証明情報・登記識別情報（Bのもの）・代理権限証明情報（A・Bからの委任状）
登録免許税	金1,000円

備考

登記の目的

【◯番抵当権変更】
※◯番抵当権～のように順位番号で特定する。

原因日付

【年月日　免責的債務引受】
※免責的債務引受契約の成立の日

変更後の事項

【債務者　住所　C】
※変更後に登記すべき事項を提供する。

権利者

【住所　A】
※（根）抵当権の債務者の変更登記の登記権利者は抵当権者。

義務者

【住所　B】
※（根）抵当権の債務者の変更登記の義務者は抵当権設定者。変更前の債務者でも変更後の債務者でもないことに注意。

添付情報

・登記原因証明情報
・登記識別情報
・代理権限証明情報
※抵当権の債務者の変更登記では、設定者である所有権登記名義人が登記義務者となるが、印鑑証明書の添付を要しない。対して、根抵当権の債務者の変更登記では印鑑証明書の添付が要求される。

登録免許税

【金1,000円】
※（根）抵当権の債務者の変更登記は不動産1個につき1,000円の定額課税。

免責的債務引受と重畳的債務引受

免責的債務引受=債務の同一性を変えずに債務が債務者から引受人へと移転することにより債務者は債務を免れる。
重畳的債務引受=既存の債務に引受人が新たに加入する事により、債務者と引受人が連帯債務者となる。
免責的債務引受・重畳的債務引受のいずれも債務者・引受人・債権者の三面契約等により成立する。

免責的債務引受による抵当権への影響

設定者と債務者が同一の抵当権

設定者と債務者が同一であった抵当権を免責的債務引受により債務を引受人に移転した場合、設定者自信が債務引受契約の当事者であるので抵当権は存続する。
抵当権者A、設定者B、債務者Bの抵当権（設定者と債務者が同一）の抵当権を免責的債務引受により債務者をCとする契約には抵当権者A・債務者B（設定者）・引受人Cの三面契約によるので債務者でもあり設定者でもあるBは債務引受契約の当事者なのでBの承諾は問題にならない。

設定者と債務者が異なる抵当権

設定者と債務者が異なる抵当権（いわゆる物上保証）を免責的債務引受により債務を引受人に移転する場合には、設定者は債務引受契約の当事者では無いため設定者の承諾を得なければ当該抵当権は原則的に消滅する。
抵当権者A、債務者B、設定者Cの抵当権の場合には設定者Cは債務者Bとの信頼関係等により設定者となったのであり、新たに債務者となる者との間には信頼関係があるとは限らず、物上保証をするとは限らないため。

重畳的債務引受の場合

重畳的債務引受があった場合には従前の債務者はそのまま債務者であり続け新たな債務者が加わるだけなので物上保証であった場合でも抵当権は消滅しない。

（根）抵当権の債務者の変更

印鑑証明書の添付

・抵当権の債務者の変更=設定者である所有権登記名義人の印鑑証明書の添付は不要。
※抵当権の債務者の変更では、優先弁済権の拡大などがあるわけではなく、設定者である所有権登記名義人が不利益を被る訳では無いため。

・根抵当権の債務者の変更=設定者である所有権登記名義人の印鑑証明書の添付が必要。
※根抵当権の債務者の変更は、根抵当権が担保する不特定の債権が誰との間で発生するものなのかの変更という重要な要素なので印鑑証明書の添付が必要。

不動産登記規則
申請書に記名押印を要しない場合）
第四十七条　令第十六条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一　委任による代理人が申請書に署名した場合
二　申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合
三　申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合（前号に掲げる場合を除く。）
イ　所有権の登記名義人（所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。）であって、次に掲げる登記を申請するもの
（１）　当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記（担保権（根抵当権及び根質権を除く。）の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。）

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