抵当権の抹消【不動産登記法70条3項後段による単独申請】 | 不動産登記申請メモ 不動産登記申請書式集

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抵当権の抹消【不動産登記法70条3項後段による単独申請】 | 不動産登記申請メモ 不動産登記申請書式集

事例

Bが有する抵当権(設定者A、債務者A)の被担保債権の弁済期から20年が経過し、Aが債権、利息、損害金の全額に相当する金銭を供託した場合の不動産登記法70条3項後段による抵当権抹消の申請。
※当該抵当権には転抵当の設定を受けている甲がいるとする。

 

申請情報

登記の目的

 ◯番抵当権抹消

原因日付

年月日 弁済
権利者 (申請人)住所 A

義務者

住所 B

添付情報

・登記原因証明情報
(被担保債権の弁済期を証する情報)
(債権、利息、損害金の全額に相当する金銭が供託されたことを証する情報)
・代理権限証明情報(Aからの委任状)
・承諾を証する情報(甲の承諾書)
・登記義務者であるBの所在が知れない事を証する情報

登録免許税

金1000円
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備考

登記の目的

【◯番抵当権抹消】

 

原因日付

【年月日 弁済】

 

権利者

【(申請人)住所 A】
※不動産登記法70条3項による単独申請なので登記権利者の住所氏名の前にカッコ書きで申請人と記入する。
※抵当権抹消登記の登記権利者は抵当権設定者。債務者ではないことに注意。

 

義務者

【住所 B】
※抵当権抹消登記の登記義務者は抵当権者。

 

添付情報

・登記原因証明情報・登記原因証明情報
(被担保債権の弁済期を証する情報)
(債権、利息、損害金の全額に相当する金銭が供託されたことを証する情報)
・代理権限証明情報(Aからの委任状)
・承諾を証する情報(甲の承諾書)
・登記義務者であるBの所在が知れない事を証する情報
※登記原因証明情報として(債権証書並びに債権及び最後の2年分の利息その他の定期金の完全な弁済があった事を証する情報)を添付する。
※登記上の利害関係人が存在する場合にはその者の承諾を証する情報を添付しなければ抹消登記は出来ない。主登記で実行されるわけではなく、登記が出来ないという点に注意。

 

登録免許税

【金1000円】
※抹消登記の登録免許税は不動産1個につき金1000円。

 

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抵当権の消滅

・被担保債権の消滅
・抵当権設定契約の解除
・抵当権者が抵当権を絶対的に放棄した
※優先弁済権の放棄ではなく「絶対的な放棄」
・抵当権消滅請求の成立
・混同による消滅
上記の様な場合等に抵当権は消滅する。

 

不動産登記法70条3項による単独申請

(登記義務者の所在が知れない場合の登記の抹消)

第七十条 登記権利者は、登記義務者の所在が知れないため登記義務者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。

 

3 第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。

不動産登記法70条-3

登記義務者である抵当権者の所在が知れないために共同申請が出来ないときは下記の@かAにより登記権利者からの単独申請により抹消登記が出来る。
@被担保債権が消滅したことを証する情報と、登記義務者の所在が知れないことを証する情報を提供する。
A被担保債権の弁済期から20年経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び損害金の全額に相当する金銭を供託する。(休眠担保の抹消と言われる)
上記の@かAのどちらかを満たせば単独で申請が可能になる。

 

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抵当権の抹消登記

申請人
原則:登記権利者と登記義務者の共同申請

 

登記権利者=抵当権設定者
※債務者は申請人とならない。
※消滅した抵当権の後順位抵当権者も登記権利者となることが出来る。
※共有不動産に設定されていた抵当権の抹消は保存行為(民法252但し書)として共有者の1人と抵当権者が共同で申請できる。

 

登記義務者=抵当権者

 

例外:単独申請

・混同による登記権利者兼義務者としての実質的な単独申請
・不動産登記法69条による単独申請
・不動産登記法70条による単独申請

 

混同による消滅
(混同)

第百七十九条 同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3 前二項の規定は、占有権については、適用しない。

混同の例外

抵当不動産を抵当権者が取得した場合に、当該抵当権者より後順位の抵当権が設定されている場合や、当該抵当権に第三者の権利(転抵当など)が設定されている場合には混同による消滅は起きない。
例▼
所有者 A
1番抵当権 B
2番抵当権 C
上記前提でAからBが所有権を取得し所有者となった場合にBの抵当権が消滅してしまうとCが抵当権を実行したとき、Bが弁済を受けることが出来なくなってしまうのでBの保護のために混同は生じず抵当権は消滅しない。
Cの抵当権が弁済などにより消滅した場合にはBの抵当権を残しておく意味がないのでBの抵当権も消滅する。

 

不動産登記法69条による単独申請
(死亡又は解散による登記の抹消)

第六十九条 権利が人の死亡又は法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において、当該権利がその死亡又は解散によって消滅したときは、第六十条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。

 

不動産登記法70条による単独申請
(登記義務者の所在が知れない場合の登記の抹消)

第七十条 登記権利者は、登記義務者の所在が知れないため登記義務者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十九条に規定する公示催告の申立てをすることができる。

 

2 前項の場合において、非訟事件手続法第百六条第一項に規定する除権決定があったときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独で前項の登記の抹消を申請することができる。

 

3 第一項に規定する場合において、登記権利者が先取特権、質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは、第六十条の規定にかかわらず、当該登記権利者は、単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。同項に規定する場合において、被担保債権の弁済期から二十年を経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも、同様とする。

不動産登記法70条-2

70条-1の公示催告の申立をし、除権決定があると登記権利者は単独で登記の抹消を申請できる。

 

不動産登記法70条-3

登記義務者である抵当権者の所在が知れないために共同申請が出来ないときは下記の@かAにより登記権利者からの単独申請により抹消登記が出来る。
@被担保債権が消滅したことを証する情報と、登記義務者の所在が知れないことを証する情報を提供する。
A被担保債権の弁済期から20年経過し、かつ、その期間を経過した後に当該被担保債権、その利息及び損害金の全額に相当する金銭を供託する。(休眠担保の抹消と言われる)
上記の@かAのどちらかを満たせば単独で申請が可能になる。

 

利害関係人の承諾

権利に関する登記の抹消なので利害関係人がいる場合には、その者の承諾を証する情報を添付しなければならない。その者の承諾がなければ抹消登記は出来ない(民法68条)。
※変更や更正登記の様に承諾があれば付記、なければ主登記となるわけではなく、承諾がなければ登記自体出来ない事に注意。

 

利害関係人とは、民法376条1項の処分(転抵当など)を受けたものや、抹消する抵当権に関する移転仮登記を受けてる者、抹消する抵当権の差押や仮差押や質入の登記を受けている者等があたる。

 

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